作品ストーリー
『古事記』における、伊邪那岐命と伊邪那美命による国生み・神生みの物語の一場面である。
天と地が初めて開けたとき、高天原(たかまのはら)に別天つ神(ことあまつかみ)といわれる特別の五柱(いつはしら)の神々が現れ、続いて、神世七代(かみよななよ)といわれる神々が現れた。この神世七代の最後に出現したのが、伊邪那岐命と伊邪那美命である。
さて、ここで高天原の神たちは、みなで話し合って、伊邪那岐命と伊邪那美命に、「地上に降りて、この漂ったままの国土をよく整えて、しっかりと造り固めなさい」と言って、「天の沼矛(あめのぬぼこ)」という、美しい玉飾りのついた神聖な矛を授けた。そこで二柱の神は、天と地をつなぐ「天(あめ)の浮橋(うきはし)」に立ち、くらげのように漂う海に天の沼矛をさしおろして、「こおろこおろ」と海水をかき回した。
やがて矛を引き上げると、矛の先からしたたり落ちる塩水が、積もりに積もって島になった。この島は、自(おの)ずから凝(こ)り固まって島になったことから、名を淤能碁呂島(おのごろしま)と呼ぶことにした。
伊邪那岐命と伊邪那美命は、その淤能碁呂島に降り立ち、ほどよいところに天の御柱を立て、大きな御殿を建てた。そしてここで結婚し、国生みを行った。
二神の永遠の愛は、ここで結ばれ、ここから広がり、世界を覆い尽くした。
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